« ■文部省唱歌 | トップページ | ■体型が変化する »

■消費税が全ての元凶なのか?

2002, 04, 24 水曜日

23日付の産経新聞投書欄に大学生の投書が載っていた。
「消費税廃止が景気の活性策」というもので、論旨としては、「消費税で5%値段が上がると購買意欲がなくなる」「1円玉や5円玉が増えて煩わしい」「計算が面倒だ」などと書かれていた。
最初にはっきり言ってしまうと、誠に幼稚な意見と言わざるを得ない。大学生となっていたが、昨今はこのレベルの認識の者でも大学に入れてしまうのか、と悲しくなってしまう。

販売の現場にいる者からの反論を少し。

●5%値段があがると買う量が減る、それは本当か?
僕の考えだと、NOである。それはもともと1000円の物だと考えるから1050円が高いと感じるわけで、もともと1050円の物と考えると高いも安いもない。長年(!)販売の現場で対面販売をしていて、それはつくづく感じる。目の前の額面から少しでも値引きすると安いと感じる。それだけだ。もしくは、同じ商品がほかの店で高く値付けされ、こっちで安ければ得をしたと感じ、逆なら損をしたと思う。
昔からの持論であるが、「者には値段などない」というのが僕の意見である。欲しい人がいて、持っている人がいる。買う人の”欲しい度合い”と、売る人の”必要な金額”が合致したとき、そこに双方の共通の価値観、”値段”が発生する。だから砂漠では水が金よりも高くなることも起こりうるし、寒い国では石炭が高くなるかもしれない(あくまで喩えだからね)。あるひとが「これを売って欲しい。いくらでも出す」と言えば、14吋のテレビを100万で売ることもあるだろうし、他にも欲しい人が多数いるときは、値段はもっと上がる。逆に誰も欲しくない物は、値段をいくら安く付けても誰も買わない。当たり前の自由市場経済の話である。

例えば、食料品を買うとしよう。1000円の買い物をするときに、「消費税が50円付くから、今日は食べないことにしよう」などとなるかどうか、少し考えればわかることである。必要な物は買う。買わずに済ませることは不可能である。反面、高価な物件は買い控えが起こると言われるかもしれない。おっとどっこい、消費税前でも後でも、高額物件を買う人は税金が付いても買うし、買えない人は税金がなくても買えないのだ。生活に直接関係のないレジャーや嗜好性の高い商品、サービスについてもそう。5%は直接関係ない。

●小銭が増えるから購買意欲が減る、それは本当か?
NO!あきらかにNOである。これはこの投書した本人が普段金銭感覚を磨くことをしていない、金銭のやりくりをしない(例えば小遣いの中で予算を立てて計画的に使うなど)、苦労をしない子供の発言である。もしくは裕福な家庭で早々とカードを持たされて育ってきたのかもしれない。昔から主婦は50円安い大根を買うために遠くのスーパーの特売に駆けつけたのだ。ジャリ銭が増えることは、それだけ安く買えているという証拠でもある。この項目については論ずるまでもない。「1円を笑う者」になっているだけだ。

●計算が面倒だから、買い物が億劫に。それは本当か?
ばかばかしくて臍でヘリウムガスを沸かしてしまう。計算しろよ!これから君が社会に出てどこかの会社に入ったとしよう。死ぬまで計算から離れられないぞ。経理畑だけではなく、どの世界でも。銀行でも、小売商売屋でも。

経験と勘からいうと(いい加減だな)、消費税を0にしても、今の景気ではそれが理由となって消費が上向くことはない。なぜか?それは自分の周りを見回してみたらよくわかる。これ以上必要に迫られて買う物なんて、身の回りにあると思う?バブルの頃が、必要もないのに無駄遣いしてただけだ。それが今やっと正常になってきつつあるだけである。必要な物はちゃんと正当な金額、双方折り合いが付く値段で取引し、不必要な物は買わない。そこにはちゃんと自然淘汰がある。より厳しく、大人の目で判断することが求められるだけだ。裏を返すと、買い手が我が必要だと感じる物、これは金を出す価値があると思うような物を提供する商売なら伸びるだろう。これからは(月並みだが)高齢化社会になるのは必然なので、老人相手のサービスや商売、教育、また治安の悪化に伴い警護や事件を未然に防ぐ予防、事後のための保険サービス、それともう一つ。全く新しいジャンルのエンターテイメントである。
日本は文化に金をかけない。劇場などの入場税は昭和13年の支那事変特別税の戦時税がそもそもの始まりなのに、いまだにある。こういうところの税金を片っ端からなくす。警察の交通取り締まり年間900億円の収入予算もゼロにする。その他色々、書ききれない。

おっと話が逸れた。文化の話。これからは手元に残る”モノ”に大金をかけるのではなくて、”手元に残らない感動”、心に残る物に対してお金を払う時代がやってくる。充実感もそうだし、感動、感激もそうだし、疲労感を取り除く、癒す、快感を与える。こういう種類の第6次産業(?)が台頭するはず。
そういう意味でUSJのヒットは、その先駆けでもあると思う。形としてはテーマパークに見えるが、実はその奥にはもっと違う物を求めて人々はやってくる。
仲間と、恋人と、家族と、安息と刺激と充実を共有できる”商品”を時代は求めているのだ。

しかしこの投書した大学生は、共産党の言い回しそのままである。具体的な解決策になっていない。やはり一般にもこういう目くらましに惑わされている人間が多数いるんだなぁ、と再確認してしまった。

0:00:01 社会 | |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/83711/3299167

この記事へのトラックバック一覧です: ■消費税が全ての元凶なのか?:

コメント

コメントを書く